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ペット 賃貸が必要としているもの

グラフによると、八六年度に契約者から集めた全収入保険料三兆九五○○億円(一○○%)のうち、貯蓄・財テク中心の金融商品の〈貯蓄保険料〉なるものは、一兆四七三五億円(六二・六%)に達している。 この〈貯蓄保険料〉のうち、三分の一近い八七五九億円を一時払養老保険が占めている。
本物の保険部分が中心となっている保険商品の〈危険保険料〉は、七八○○億円で全収入保険料の一七・七%にすぎない。 〈貯蓄保険料〉に比べると、三分の一にも満たない。
五年前の八一年度には、〈貯蓄保険料〉が四六・三%だったのに、財テク・ブームの一、三年の間に急上昇し、一六・三%も増えている。 一方の〈危険保険料〉が占める比率は、同じ時期に二七・○%から九・三%も急減している。
助〉の分担金として収めた資金であり、万一のさいの契約者への支払保険金に備えるものである。 それが、本来の保険料でもない投機や財テクの資金とどんぶり勘定で集められ、運用されている。
出口課長は、儲けすぎ批判にふれたさい、「日本の保険料は世界一安く、儲けすぎとは思いません」といった。 生命保険協会やNのPR出版物も、儲け過ぎ批判を牽制する伏線として、生命保険会社がかに事業費(付加保険料)を引き下げ、保険料をいかに安く合理的に算出しているかに、かなりの力点いている。
だが、本来の保険料が何%かも不明のままでは、保険料が安いか高いかを判断する基準すもう一つの問題は、七七五七億円にもおよぶ〈付加保険料〉なるもので、全収入保険料の一九・六%となっている。 〈付加保険料〉とは、NのK玉夫副社長の著書「生命保険の知識」(八五年改訂、N新聞社刊)でも、〈保険制度を維持管理する費用〉であり、〈付加保険料は「予定事業費」によって決まります〉と、明記している。
生命保険の場合は、二○年とか三○年などという長い保険期間であり、保険料の算定のもとになる死亡率や利率なども、さきざきが確定できないところから、一定の予定死亡率や予定利率で計算される。 事業費も同様に〈予定事業費〉として保険料に含められている。
だが、本来、〈予定事業費〉はあくまで〈保険制度を維持管理する費用〉であり、決して貯蓄や財テクを〈維持管理する費用〉ではない。 保険料が実際に高いか安いかは、保険契約者の分担金である〈危険保険料〉が、万一のさいに契約者への支払保険金としてどれだけ返ってくるかで決まる。
そのさい〈危険保険料〉をあずかって〈保険制度を維持管理〉しているNが、事業費をどれだけ効率的に使ったか、あるいはどれだけ浪費したかで決まってくる。 端的にいえば、システム一○○に使われた七○○億円から一○○○億円という設備投資は、Nの事業費であり、保険契約者にそのツケが回ってくる。
本来、保険料といえるのは、保険に欠かせない〈危険保険料〉と〈付加保険料〉を合わせたものである。 この意味での保険料は、八一年度では全収入保険料の五三・七%で過半を占めていた。

ところが財テク・ブームとともに、八三、四年から財テクの要素の強い〈貯蓄保険料〉が急増した結果、八六年度では三七・三%にすぎなくなった。 もし、Nが保険契約者の利益を第一に考えるなら、〈保険制度を維持管理〉する諸経費を節約して、〈危険保険料〉にたいするく付加保険料〉の比率をいかに引き下げるかにかかっている。
だからこそ、生命保険会社は、大蔵省に事業費実績報告の義務を負わされてもいるのである。 だが、八一年度までは〈危険保険料〉が〈付加保険料〉を上回っていたのに、〈貯蓄保険料〉の急増とともに〈付加保険料〉の比率が高くなり逆転している。
Nでは、どうやら〈貯蓄保険料〉集めの事業費が急増し、その事業費もどんぶり勘定で〈付加保険料〉に含めているようだ。 マネーゲームや土地投機用の経費や、そのマネー集めの費用まで、保険契約者が支払わされていることになる。
ともかくも、実際の八六年度事業費は六六七八億円にのぼり、社内誌『あゆみ』(八七年八月号)は、その巨大さをつぎのように自慢している。 〈これ〔八六年度事業費支出総額〕は、本社の一年間の保険金・年金・給付金支給総額(七八七九億円)に次ぐ支出額であり、実に長野県の昭和六○年度予算(六五○○億円・全国第一二位)に匹敵する規模です。
企業の資源はよく「ヒト・モノ・カネ」であると言われます。 事業費はまさにカネにあたるもので、全ての業務遂行に不可欠なものです〉契約者の立場からみてなにより驚くのは、その金額の巨大さもさることながら、実際に万一のさいや満期になって戻ってくる保険金や年金給付金の総額に匹敵する金額が、事業費として消えているということである。
〈全ての業務遂行に不可欠〉というが、システム一○○はもちろん、さかんに放映しているCM、幹部職員の一五○○万円以上の年収をはじめとする人件費などの〈全て〉の諸経費が含まれている。 さきにみたく付加保険料〉が〈危険保険料〉を超えていた点などからも、契約者が支払った保険料の半分は、保険会社の経費として消えているとみてよい。
しかも、財テク商品によるマネー集めの経費も、ほんとうの保険の諸経費もどんぶり勘定である。 また、その金額の大きさは、八八年度国家予算でいえば、災害復旧事業費六五一億円の約一○倍、失業対策費三六○○億円の約一倍であり、食糧管理費四四八二億円や教育振興助成費五九○一億円を上回り、住宅対策費七五○九億円に迫るものである。
ニッポン株式会社の筆頭株主らしい使いっぷりである。 すでに、大蔵省は、通達「生命保険会社の経費節減について」(八七年四月一五日、一部改正)を出している。
この通達は、〈生命保険会社は、その公共性にかんがみ極力経費を節約して、経営の合理化と保険契約者の利益の増進を図るべき〉である、と述べている。 また、〈最近は新契約関係経費の増嵩から事業費の枠に対する比率はかえって上昇傾向にある〉といい、事業運営にあたって〈経費の節減〉などによって、〈保険契約者の負担の軽減を図るよう一段と努力されたい〉と述べている。

ところが、通達は、〈保険商品の付加保険料体系の多様化〉を理由に、生命保険会社が大蔵省に報告する「事業費実績表」などの報告書を、〈実情に合致しなくなってきた〉と簡素化してしまった。 この場合の〈保険商品の付加保険料体系の多様化〉とは、ここで問題にしてきた、保険と保険もどきと財テク中心の金融商品などへの〈多様化〉のことである。
〈多様化〉しているにもかかわらず、どんぶり勘定になっていることこそが問題であり、だからこそ〈保険商品の付加保険料体系〉ごとに、それぞれの事業費の中身を明確にすべきである。 しかし、簡素化された「事業費実績表」では、本来の保険と貯蓄性の高い金融商品との区分はなく、個人保険、団体保険、財形保険、医療保障保険などの大枠になっている。
だが、事業費支出明細などで一定の実態は明らかなはずである。 大蔵省も、国民多数が生命保険会社の社員であることを考慮して、報告内容の子細を公開すべきである。
政府・大蔵省と業界の密室での交渉や取引が目立つが、そうした関係が、どんぶり勘定を基盤とした浪費、乱費を想像以上にはびこらせる結果につながっている。


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